私のサラリーマン人生④ 勝負所を見極めよう
私のサラリーマン人生④ 勝負所を見極めよう
仕事をしていると、いろいろな話が舞い込んでくる。
「こういうことしたいんですが、どのくらいの予算でお願いできますか?」
「今度こんなプロジェクトがあって、御社にも協力していただきたくて」
「こんな仕事でもお願いできますか?」
「急で申し訳ないんだけど、なるべく早くやってもらえる!?」
私は、依頼を受けたその仕事の、その時点でのボリューム(売上)だけをはかるのではなく、その仕事がもたらすであろう、次につながる可能性を大切にしようといつも考えていた。
たとえその仕事がその時は赤字になったとしても、必ずネクストがあると確信したときは、会社の意向に沿わないと思われる場合でも、上司の少々の反対があっても、その仕事を捕りにいっていた。
良いサラリーマンとは言えないかもしれない。
経営者でもないくせに。
組織の大切さがわかっていない。
リスクを全部自分で背負えるのか?
いろいろな声が聞こえてきそうだが、そういったしがらみを器用に捌く能力だけは備わっていたようで、進むべきと考えた方向に、周囲を説得しながら、舵を切ってきたように思う。
失敗したことが無かったわけではない。こんなに頑張ったのに、現場の連中にあんなに迷惑かけたのに、その時だけで次の依頼が無い。そういうこともあったけれど、概ね、狙いは外れていなかったと思ってもいる。
みんな、自分の感性を信じよう。日ごろから仕事に精通するべく努力し、現場の声に耳を傾けることを忘れなければ、自分を信じて、行くべきと思えるときは、迷いなく前に進もう。
それがサラリーマンの醍醐味だと私は考えてきた。
それが私自身や、一緒に働く仲間たちの明日につながると確信していた。
大切なのは、その仕事がやるべき仕事なのか、次につながるものなのかを判断できる嗅覚や、ここは意を決して勝負に出るべきと感じることができる感性を、日ごろから磨いていくことだろうと思う。
これは、漠然と日々を過ごしていては得られないものだ。
日々の仕事の中でしっかりと問題意識を持ち、それを克服していくための努力を怠らないこと。
かといって、独りよがりにならず、いろいろな人の意見を取り入れる柔軟さを忘れないこと。
それでいて、人と触れ合う機微を感じたり、遊び心とかの「ゆとり」を持とうとすることを忘れないこと。
なんか、だいぶ優等生じみた話になってきてしまった。文章にしてしまうことの弊害が出ている気がする。話したほうがうまく伝わるのだが…
ようは、すべてのチャンスがチャンスとばかりは言えない。すべてを得ようと思うのは、むしろ賢明な選択とはいえない。
ここだ!いまだ!と思う、思える自分を作っていって、勝負所を間違えず、上っていってほしいということを伝えたい。
自分に吹く風を肌で感じ、その風に乗るのか、はたまた逆らって進むのかを、勇気をもって決断してほしい。
心の声にしたがって、若者たちよ、君たちの眼前にある成功をつかめ!
一線を退いた、父でした。