再び終活について考える
再び終活について考える
昨日、「長いお別れ」という映画を観てきた。
山崎努さん、松原智恵子さん、竹内結子さん、蒼井優さんなどが出演している。
父(山崎努さん)に認知症の症状が現れ始め、そして徐々に進行していく7年間を妻(松原智恵子さん)、夫の仕事の関係で長男とともにアメリカに住む長女(竹内結子さん)、そして好きな料理の道で自立を目指し、実家近くに住む次女(蒼井優さん)、いろいろなエピソードを挟みながら、物語は進んでいく。
お決まりの徘徊やら、古い友人の葬式での奇行やら、父の認知症によるもろもろの出来事と、各々の家族の抱える問題を、大きな事件であるとか苦しみを伴う深い悩みであるとかいうように重い表現するのではなく、肩の力が抜けたように淡々と最後まで描写していくのだが、それでいて観る人一人一人にちゃんと何かを問いかけている、まさに秀作と呼ぶにふさわしい作品でした。
あらすじだとか、俳優さんの演技についての論評とかは、ここで書くことはしたくない。館内は年配の方がほとんどだったが(シニア割や夫婦50割の関係もあるのだろうが)ぜひいろいろな世代の方に観ていただき、今まさに直面している方、まだ先の話だと感じる方、それぞれに何かを感じてもらいたいと思える作品でした。
先日、樹木葬について書かせてもらいました。
あらためて終活について考えてみると。お墓の問題だけではありませんでした。
等々、いろいろあります。
我が家は現在、先日息子が書いたように二世代同居の生活で、独居老人であるとか老々介護であるとかの問題とは無縁のようですが、その状況に甘えて自分たちの老後を真剣に考えようとしないのは、やはり間違っていると思っています。
それこそ、認知症にでもなってしまって自分の意思をちゃんと伝えられなくなってしまう前に、二人の息子たち夫婦とちゃんと話をしておかなければいけないと考えています。
私と奥様が必ずしも同じ考えとは限りません。それぞれの考えや思い、そしてそれに対する息子たちやお嫁さんたちの意見を、ちゃんと伝えあう機会をいずれ作らなければいけないと思っています。
「長いお別れ」という映画は、そんなことにも気づかせてくれる作品でした。
英語で認知症のことを "Long goodbye" という表現をするそうです。
とても暖かい素敵な表現ですね。
私は両親とも他界しておりますが、奥様には、90を過ぎて認知症の進んでいる母親がいま施設に入っています。
長い別れの最中です。
月に一度くらいは二人で顔を出すのですが、はたしてどこまで分かっているのか…
でも、よく来たねと喜んでくれます。
今週末は予定があるから、来週末にでもまた二人で様子みにいこうかね、奥様。
父でした。